絵本レポート

あ、読んでみたいな。と思ってもらえる絵本紹介を目指してます

4歳からのオススメ絵本 『じごくのそうべえ』 落語絵本で大いに笑って地獄を楽しもう!

今回ご紹介いたしますのは『じごくのそうべえ』

絵本ナビ

御覧の通り↑ 地獄を舞台にした絵本です。
地獄と聞いたら怖いイメージが先に立ちますが、この本は大笑い間違いなし
一度聞いたら忘れられません。
私の中で、必ず子供に読み聞かせたい絵本の中の一冊でした。

娘が地獄の存在を気にしだしたのは、生死に気付いた3歳を過ぎた頃から。
多分、youtubeあたりで情報を仕入れてきたんでしょう。
怖かったのかもしれないですね。

「おかーさん、地獄ってほんまにあんの?●●(娘の名前)は地獄にいくの?」

と質問してきました。

「おかーさんもあるか無いか分からんけど、あんたは人一倍優しいから心配せんでいいやろう」

とフォローしつつ、
さて、いよいよ『じごくのそうべえ』の出番が来たな、と内心ニヤリとしました。
が、残念ながら、読んでやるには娘はまだ少々幼かった。
3歳には、少し長いんです。この本。

そして、そのままずるずる読んでやる機会を逃し、時には忘れ去り、先日、図書館で『じごくのそうべえ』を発見。
「あ、読んだるの忘れてた!」
めでたく思いだしました。

そんな訳で、今日、やっと読み聞かせができました。

懐かしい『じごくのそうべえ』
こてこての関西弁に、はっちゃけたオッサン達。
古典落語の『地獄八景亡者戯(じごくはっけいもうじゃのたわむれ)』を原作にした、この痛快な落語絵本を、是非ノリノリで読んでいただきたいです。

では、詳細におつきあいください。とざいとざーい

感想

読みにくいな~!!
これは練習が必要だ(笑)

関西弁に慣れている私ですが、それでもこの、上方漫才を上回るコテコテベタベタの関西弁には舌を巻きました。

おっかしいな~。子供の頃に何度も読んでもらったはずやのに。

ちょっと悔しい思いをしたのですが、仕方ないです。上方落語を絵本にしたんですもの。

これを昔、勤め先の同僚は、落語家さながらに机の上に正座し、お年寄り相手に朗読してたんです。
しかも、拍手喝采
その人は落語家ではありません。介護職の普通のオバちゃんでした。楽しい人には間違いありませんでしたが。
うーん、すごいな、●●さん。
思いだして尊敬しました。

しかも『じごくのそうべえ』は、冒頭にも書いたのですが、読み終わるまでが長いんですよ。10分以上かかります。
これまで紹介した絵本の中では最長です。
その上、ノリノリで読まなければ!という謎の使命感に駆られるため、息が上がります。
読み終わった時には、1席終えた落語家の気分です。

とはいえ、やっぱりね、楽しいんですよ。この『じごくのそうべえ』は。読みづらくても、しんどくてもね。
読み手まで楽しませる絵本て、なかなか無いと思うんです。

『じごくのそうべえ』の、本の特徴

サイズと重量(重さ)

縦25.1cm 横25.3cm 厚さ1㎝ 重量502g

鞄に入れて持ち歩くには、不可能ではないですが、やや大きいし重いです。

読み終わるまでの所要時間

10分以上

文字のサイズ、読みやすさ

最小4㎜。背景に合わせて黒文字白文字と変化があります。

構造・質感

ハードカバーの、標準的な絵本です。

対象年齢

4~5歳から。

『じごくのそうべえ』のオススメポイント

とにかく、怖いイメージの地獄をこれほど愉快に朗読できる本は他には無いと思います
内容は、正直ちょっとクレイジー(笑)。

娘は初めは絵を描きながら聞いていましたが、途中から本をチラチラ。そして最後まで、にやにや笑いながら見てくれました。
3歳の息子は残念ながら途中でどっかに行ってしまいましたが。

人間くさい閻魔大王社畜を思わせる鬼達。地獄の刑をものともしない図太いオッサン達。
地獄に落とされた、そうべえ達は、それぞれの特技をもって、次々と襲ってくる苦難(地獄の刑)に立ち向かいます。その様は、痛快ながらも逞しさを感じ、我が子もこんな風に強く育ってくれたらいいな(悪党になられたら困るけど)と思ってしまいます。

「ホラ、地獄はけして楽しいところではないけれど、こんなに愉快なお話にもなるんだよ」と、もし地獄を怖がっているお子さんがいたら、読んであげて欲しい。

もしくは、「ホラ、あんたもこの人らみたいに強くならんかい!」と鍛えるのも有りかもしれません。

私は子供の頃、友達と”地獄に落とされたらどの刑が一番良いか”というアホな議題で盛り上がった記憶があります。
「やっぱり糞尿地獄ちゃう?下カピカピで臭いだけやろ?我慢できるやん」
「アタシは窯茹で地獄かな。水入れたら風呂になるんやろ」
「その水どっからもってくんねん」
結局どの地獄刑で落ち着いたかは覚えていません。
救いなのは、「自分は悪い事はしてないから地獄行きにはならんもーん」と主張する困った奴は一人も居なかったことです。


最後に。
実は、お子さんだけでなく、『じごくのそうべえ』は大人にもオススメ。
今はコロナで宴会なんかは自粛中ですが、『じごくのそうべえ』、会社の飲み会芸でも使えますよ。1席いかがでしょう。

『じごくのそうべえ』の情報(作者・発行所など)

タイトル:じごくのそうべえ
作:たじまゆきひこ
桂米朝上方落語・地獄八景より
発行所:株式会社 童心社



4歳からのオススメ絵本 『ぽぽくんのミックスジュース』 控えめに言って、美味しそうな絵本。

さて、今回ご紹介したいのは、『ぽぽくんのミックスジュース』

入園・入学のお祝いにぴったり! 【年齢別】絵本・児童書セット〜絵本ナビベストセレクション〜

カバのポポ君に、おじいちゃんから沢山のオレンジが届きます。
ポポ君はそのオレンジを、みんなにも分けてあげました。
すると翌日、ポポ君の家に、お礼と共にたくさんの果物が!
ポポ君はそれで、美味しいミックスジュースをつくることにしたのです。

概要はこんな感じです。

タイトルにもありましたね、『ミックスジュース』の文字。

ミックスジュースかぁ。
そういや久しく飲んでないな・・・。
と、私はページを開けたのでした。

目次

感想

ものすごく美味しそう。なんで!?

が、初めて読み聞かせをした時の感想です。

だって、切って貼っただけみたいな絵なんですよ。

そう。この絵本の挿絵は、まるでシールを貼ったみたいなんです。
ようく見ると果物一つひとつに陰影も立体感もちゃんとあるのですが、飯テロで有名なジ○リやその他食べ物マンガのような、リアリティはありません。

なのに何故、こんなに、よだれが出るのかしら!?
息子は絵本を見ながら、さっきまでは見向きもしなかった蜜柑をむさぼり食っている。
7色のミックスジュースなんか絶対ありえないのに、絶対美味しいと確信させると同時に口の中が甘酸っぱくなる、この絵の威力
切って貼っただけみたいな絵なのに。何度も言って本当に申し訳ないけど。

あああ、美味しそう!ポポ君のミックスジュース、飲んでみたい!!

気分が高まったのはいいものの、次の瞬間、この世に存在しない事に気付いて撃沈です。
七色のミックスジュースの雨粒を見て、頭の中には『ドロップス』の曲まで流れだしたというのに。
何なんでしょう、この条件反応のパレードは・・・。

息子も七色のミックスジュースが街に降り注がれるページでは、人差し指でページをぶすぶす突いて興奮気味。

私や息子が食いしん坊だから?お腹がすいていたから?

前者はあり得ますが、後者は違いますね。だって、何度読んでもやっぱり美味しそうに見えるんだもの。

『ポポくんのミックスジュース』の、本の特徴

サイズと重量(重さ)

縦23cm 横23cm 厚さ7㎜ 重量298g

少し大きいですが、ママかばんには入る大きさです。
これ一冊くらいなら負担にはならなさそうです。

読み終わるまでの所要時間

5分程度

文字のサイズ、読みやすさ

最小5㎜です。黒文字。

構造・質感

ハードカバーの、標準的な絵本です。

対象年齢

4~5歳から、と本にありました。

『ぽぽくんのミックスジュース』のオススメポイント

感想で、美味しそうを連発したのですが、この絵本は、ただ美味しそう、だけじゃないんです。
ここには沢山の果物が出てきます。
りんごバナナレモンイカもも・・・。果てにはゴーヤまで。
初めはそれらを、色々な組み合わせでジュースを作るんです。
マンゴー+オレンジ とか、
イチゴ+アイスクリーム とか。
中には甘すぎたり、苦いものも。
こういうのを見ると、子供って試してみたくなりますよね。
『ポポくんのミックスジュース』は、子供の好奇心を刺激する絵本なわけです。

「魔女の○急便の”ニシンのパイ”作りたい!」

なんて言われたら

「ち、ちょっと待て」

と尻ごみしますが、ミックスジュースなら果物を切ってミキサーで混ぜるだけなので、まだ親御さんの負担にはならなさそうです。
お子さんと一緒に、ポポ君のレシピの中で気になるものを試してみるのもいいかもしれません。

最後に。
できたジュースを全部混ぜて、夢の味になったミックスジュース。それを、コップに入れておすそ分けするのではなく、街の棟のてっぺんからジョウロでジャーっと降らせてみんなに飲んでもらうなんて、夢があって最高に素敵ですね!

追記

『ぽぽくんのミックスジュース』に感化され、子供達と一緒に理想のミックスジュース作りにチャレンジしました。
よかったら合わせて読んでみてください↓
kusazukikaasan.hatenablog.com

『ポポくんのミックスジュース』の情報(作者・発行所など)

タイトル:ポポくんのミックスジュース
著者:ふくだとしお+あきこ
発行者:小林成彦
発行所:株式会社 PHP研究所


2歳からのオススメ絵本 『はらぺこあおむし ボードブック』 このサイズが欲しかったの!!!


はらぺこあおむしは超を超えた有名絵本
昔から親しまれている上に、グッズも当たり前に販売され、布絵本にまでなり、しかも、アメリカ・グラフィックアート協会賞や幼稚園絵本大賞まで受賞しているときた。
出産祝いにはもってこいの絵本だと思います。

ただ、一つだけ難点を上げるとしたら、本がでかい

私が持っていた本は、一辺が30㎝くらいあったでしょうか。
蔵書の中では一等でかかったのを覚えています。

ところが!
私、見つけたんですよ。
ボードブックバージョンを!!

【年齢別】絵本・児童書セット〜絵本ナビベストセレクション〜

では、以下詳細にお付き合い頂けたら幸いです。

目次

はらぺこあおむし ボードブック』の、本の特徴

サイズと重量(重さ)

縦12.6cm 横18cm 厚さ1.8㎜ 重量193g
軽い!小さい!難なく鞄に出し入れできます!

読み終わるまでの所要時間

2分程度

文字のサイズ、読みやすさ

3㎜程度です。黒文字。

構造・質感

ボードブックなので、1ページが厚さ2㎜程度の厚紙が使われています。
子供が引っ張ったり、少々カミカミしても簡単には破れません。

対象年齢

2歳から、とネットにはありました。
読み聞かせでなくても、絵や虫食い穴で遊ぶなら0歳からでもできそうです。

感想

子供の頃、『はらぺこあおむし』の色彩がたまらなく好きでした。
スモモやチーズやオレンジに惹かれてずっと眺めていました。
そして、青虫の食事跡を表した穴。
何度も表裏ペラペラめくったり、指の腹で撫でてみたりしていました。
ちゃんと覚えています。
産後に書店で絵本を見つけた時に、子供の頃と今とでは、絵を見た時の感じ方が全然違う事に気付きました。
そこで、
そうか、この色彩は子供の脳を刺激するよう意識したんだな、と気付きました。
『もいもい』の紹介でも書きましたが、赤ちゃんとお母さんが気に入る絵柄は逆らしいのですよ。
kusazukikaasan.hatenadiary.com

そうか。当時の感動はもう味わえないのか・・・

と、ちょっと残念な気もしますが、私の代わりに、今度は私の子供達が楽しんでくれたらそれでよしです。

――え、感動が薄くなったのは、私の心眼が曇ってしまったから?

そうかもしれない。そうかもしれない・・・。雪雲よりどんより曇っているかもしれない・・・。

まあ、それはさて置き。

やっぱり、ボードブックのサイズは最高でした。
だって、持って歩ける!
あの『はらぺこあおむし』を、余裕で・持って・歩ける!!

ケチな私が古本屋を経由せずおニューの購買を即決したのですから、この喜びは相当なものですよ。

はらぺこあおむし ボードブック』のオススメポイント

はらぺこあおむし』自体の魅力は先の感想でお伝えしたので、ここではボードブックのオススメポイントを紹介いたします。

ボードブックというのは、絵本用紙より厚い紙をさらに貼り合わせた合紙という紙を使って作った本です。
1ページが2㎜にちょい欠けるくらいぶ厚いので、手先の不器用な赤ちゃんでも比較的めくりやすく、噛んでも簡単には破れません。ついでに言うと、食品用塗料など赤ちゃんが口に入れても安全な材料を使っているらしいです。こういう気遣いは有難いですね。

小さい分迫力には欠けますが、虫食い穴はちゃんとありますし、最後の蝶になったページを開くと、息子はいつも「わー!」と感嘆の声を上げていました。

是非出産祝いにプレゼントしたい一つです。
でも有名過ぎるので、プレゼントする前に既に持っているかどうか確認した方が良いかも。

はらぺこあおむし ボードブック』の情報(作者・発行所など)

タイトル:はらあぺこあおむし
作:エリック・カール
訳:もりひさし
発行所:偕成社


   

他のおすすめ

エリックカールさんはとにかく出版されてる数が多いので、ここでは出産祝いにオススメのセットをご紹介させて頂きます。











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3歳からのオススメ絵本 『11ぴきのねこどろんこ』 おー、これはまるで異文化交流!

『11ぴきのねこ』は私が子供の頃から人気の絵本シリーズ。

会話が絶妙で、読んでいると沢山の猫達が額をつきあわせてニャゴニャゴ鳴いているのが自然に頭に浮かんでくるのがこの絵本の魅力の一つ。

それで、今回ご紹介するのはシリーズの中の一冊『11ぴきのねこどろんこ』です。

1000万人の絵本ためしよみサイト|絵本ナビ

どろんこ?猫が泥遊びするの?
て思いました?

いえいえ、出てくるのは恐竜

それも、なかなかチャーミングな奴ですよ。

では、以下の紹介にお付き合い頂けたら幸いですニャ~

目次

感想

これはまた、今回もふりまわされてるなぁ。

読み聞かせをしながら笑いました。

『11ぴきシリーズ』に出会ったのは私が小学生の頃でしたが、記憶にあるのは『あほうどり』と『ぶた』の二冊。
他のシリーズには、娘が出会わせてくれました。

11ぴきのねこは、ゲストが登場することが多い。多い、というか、ゲストありきの絵本と言っても過言ではない。
ブタだったり、あほうどりだったり、宇宙ネコだったり。
その度に11ぴきの猫たちは欲望や好奇心やゲストが連れて来るハプニングに振り回されるのですが、今回も見事にグルグル回されていました。

でもやっぱり、どんな時でもこの猫たちは『11ぴきのねこ』らしさを忘れない。
浴深で本能に忠実。そしてちょっと親切。
ああ、まさしく、猫だわ(笑)

そして、恐竜のジャブのチャーミングなこと
悪気のない珍プレーが本当に可愛らしい。
『11ぴきのねこ』シリーズでは一番好きなゲストかもしれません。

『11ぴきのねこどろんこ』の、本の特徴

サイズと重量(重さ)

縦26.2cm 横18.9cm 厚さ1㎝ 重量321g
少し大きいですが、ママかばんには入る大きさだと思います。
これ一冊くらいなら負担にはならなさそうです。

読み終わるまでの所要時間

3分程度

文字のサイズ、読みやすさ

5㎜程度です。黒文字。

構造・質感

ハードカバーに画用紙(?)の、普通の絵本です。

対象年齢

3歳から、とネットにはありました。

『11ぴきのねこどろんこ』のオススメポイント

ネコ達は恐竜ジャブの珍プレーに振り回されたことで、とんでもない”仕返し”をしてしまいます。
でも、ジャブがぱたりと姿を見せなくなった事で、”仕返し”を反省します。
そして一年後。子供を連れてやってきたジャブを見つけて大喜び。大嫌いだった”泥沼バシャーン”も喜んで受け入れるのです。

11ぴきのねこは、ジャブを拒絶したわけではなかったのですね。ジャブの理解不能な珍プレーが嫌だっただけ。だから、初めは嫌いだった泥沼も、最後はジャブを通じて楽しむことが出来たんです。

これってまさしく、異文化交流じゃありませんか。

絆は文化の違いに勝る!

素晴らしい一冊です!

それから、11ぴきのねこシリーズのもう一つの魅力なのですが、馬場のぼるさんは、ちょこちょこ絵の中で掠れたり、焦がしたような色を使うんです。
『11ぴきのねこどろんこ』では、草むら、地面、泥などにその手法が使われているのですが、それがなんとも味があっていい。惹きつけられるんです。

娘も、『11ぴきのねこ』が好き。
ところが、どうして好き?と聞かれても

「なんとなく」

なんです。
上手く説明できないんですよね。

「絵と・・・それからネコ?」

いやそれ、全部やないか。

と、つっこみましたが、私も子供の時はそうだったかも。

大人になってから分析しましたが、これはネコ達を猫らしく表現している絶妙な文章と、単純に見えて深い味わいを感じる絵による効果だと思います。

『11ぴきのねこ』、本棚に一冊は欲しいねえ。
欲しいねえ、『11ぴきのねこ』。
ニャゴニャゴニャゴ。

11ぴきのねこ風に宣伝してみました。ちょっとやってみたかった(笑)

『11ぴきのねこどろんこ』の情報(作者・発行所など)

タイトル:11ぴきのねこどろんこ
著者:馬場のぼる
発行者:佐藤英和
発行所:株式会社 こぐま社


1歳からの寝かしつけ絵本 『ぽっぽーきかんしゃよるさんぽ』のオススメポイント。こんな余裕ある寝かしつけをしたかった。




さて、この度御紹介いたしますのは
『ぽっぽーきかんしゃよるさんぽ』

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赤ん坊の寝かしつけは、赤ん坊の個性にも左右されますが、それはもう、大層地獄であることが多い。

地獄でなければ拷問だ。

拷問でなければ修行だ。荒行だ。

これから初めて親になるお父さん、お母さん。
覚悟しておいた方がいいですよ。

発狂しそうになるから。

でもこの絵本を読んだら、少しは・・・ほんの少し、ちょびーっとは、楽になるかもしれません。



感想

この絵本を読んだ時に、不思議な感覚を覚えました。
懐かしいような、泣きたくなるような悔しいような、嬉しいような・・・何とも言えない気持ち

この幽霊家族は何物?とか、何故だるまさん?とか、突っ込みたいポイントは幾つかあったのですが、それを差し置いて、ふつふつと沸き上がって来るこの感情の正体が謎でした。
少し考えると、これらの感情は以下の理由によるものと推測できました。



懐かしさ:我が子の寝かしつけを思い出したが故。
嬉しさ:子供が成長して寝かしつけ地獄から解放されたからでしょう。
泣きたくなったり悔しく感じた:これは多分、私もこんな穏やかで楽しい寝かしつけがしたかった。どうしてできなかったかなー。という思いから、ですね。

ホント、羨ましいな。こんな散歩気分の寝かしつけ、一回やってみたかった。
まあ、当時は睡眠不足と疲労で散歩の”さ”の字も頭に浮かばなかったですからね。仕方ないです。現実はこんなもんです。

とはいえ、この本をもっと早くに読んでいたら、少しは地獄なりが違っていたかもしれないな、とも思います。

『ぽっぽーきかんしゃよるさんぽ』の、本の特徴

サイズと重量(重さ)

縦20cm 横20cm 厚さ8㎜ 重量253g
カバー付き。特別小さくも薄くもないのですが、不思議とすっと手に馴染みます。

読み終わるまでの所要時間

1分から2分

文字のサイズ、読みやすさ

5㎜程度です。黒文字。

構造・質感

ハードカバーに画用紙(?)の、普通の絵本です。

対象年齢

1~2歳から、とネットにはありました。

『ぽっぽーきかんしゃよるさんぽ』のオススメポイント

寝かしつけ地獄を終えた親御さんが読んだら、私のように懐かしさと後悔や悔しさ、それから達成感を覚えるかも。

そして、今寝かしつけ地獄真っただ中にいる親御さんは、「こんな優雅な寝かしつけできるかーい!」と反感を覚えるかもしれないし、「そうだ、次はちょっと外に出てみようか」と、逆に少し気持ちが軽くなるかもしれない。

これから地獄を体験する親御さんは、軽い予習になるでしょう。

どちらにしても、こんな機関車いてくれたら、寝かしつけ地獄中の親御さんは本当に助かるでしょうね。
でも残念ながらぽっぽーきかんしゃ君も幽霊さん達もだるまさんもいないので、そこにいる大人で地獄を切りぬけるしかありません。

この本で本当に感謝したいところは、眠れずやってきた羊も赤ちゃんも、一人で機関車には乗っていないというところ。
幽霊家族が抱っこしてくれているんですよ。

大人一人で赤ちゃんをチャイルドシートに乗せて夜のドライブで寝かせるなんて、不可能ではないけれど、かなりしんどい。

寝ない赤ちゃんが大人しく独りでチャイルドシートに乗ってくれるとでも?
かなりの確率でギャン泣きするでしょう。
ドライバーはメンタルが擦り減ります。

なので、一人が赤ちゃんの傍で見守りながらもう一人が運転、というスタイルが理想的です。
お父さんでも、ジジババでも、オバちゃんでも、親御さんのお友達でも誰でもいい。
寝かしつけ地獄にいる親御さんと赤ちゃんを、助けてやってほしいと切に思います。

え、お子さんがこの絵本を読んでどんな反応をするかって?

機関車が好きなら喜んで見てくれるでしょう!以上!

だってこれは私、寝かしつけ用の絵本である以上に、親御さんの為の絵本だと思うんですよね(笑)。

『ぽっぽーきかんしゃよるさんぽ』の情報(作者・発行所など)

タイトル:ぽっぽーきかんしゃよるさんぽ
著者:とよたかずひこ
発行人:田辺直正
編集人:山口郁子
編集担当:湯浅さやか
発行所:アリス館


ぽッぽきかんしゃシリーズ



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2歳からのオススメ絵本。『ゆきのひの ゆうびんやさん』 子供の愚直さを包み込む絵本!





こんにちは。
今回ご紹介したいのは、こちら。
『ゆきのひの ゆうびんやさん』

いいことする、って難しい。
本人はよかれと思ってやっていても、案外周りは振り回されて大変でした、な事もある。
お節介だったり、余計なお世話になってしまったりと、本当に喜んでもらって”万事うまくいく親切”をしようと思うと、案外難しいもんです。

あー、スマートに人助けができる人間になりたい。

大人の私は、そんな欲深な望みを時々抱いてしまう。

でも子供は、正しい!と信じたら凄いエネルギーで突き進みますね。

子供の善意は猪突猛進なり。

スマートかどうかなんて考えない。

40手前の捻くれたオバハンには、その純粋さがちょっと羨ましいです。

――では、以下詳細にお付き合い頂けたら幸いです↓


感想

ああ、いいなあ、この絵本
初めて読んだ時に、妙な安心感を覚えました。
その時はどうしてそんな安心感を覚えたか分からなかったのですが、何度か読み聞かせをしているうちに、なんとなく分かってきました。

この本は多分、王道、というやつなんでしょうね。

子供が抱く愚直な思いやりというか、善意というか。それを温かく肯定してくれていると同時に、責任感の在り方まで示している。
失敗しても頑張ってやり遂げた事に栄誉が与えられる。
世知辛さといったモノが存在しない(笑)
なんて、おおらかな世界
同感していただけるかどうか分かりませんが、私はこの絵本に何となく”サザエさん”を連想してしまいました。

ね、”サザエさん”もおおらかで、王道でしょ?

『ゆきのひの ゆうびんやさん』の、本の特徴

サイズと重量(重さ)

縦21.3cm 横19.7cm 厚さ7㎜ 重量243g
比較的小さく薄い。ママかばんに入れて持ち歩くには丁度よいです。

読み終わるまでの所要時間

4~5分

文字のサイズ、読みやすさ

5㎜程度です。黒文字。

構造・質感

ハードカバーの、標準的な絵本です。

対象年齢

本には幼児絵本、と記載されています。
ネットでは2歳~と書かれていました。

『ゆきのひの ゆうびんやさん』のオススメポイント

素直な子供を育ててくれる絵本だと思います。
この絵本を読んで、恐怖を覚えたり委縮する子はまずいないでしょう。
むしろ、責任感を持った強い子に導いてくれるんじゃないでしょうか。

失敗しながらも配達をやり遂げ、御褒美までもらった三匹のねずみ。ソリで一気に自宅へと滑り下りる様子は爽快です。

しかも、この三匹、家で休ませてあげていた郵便屋さんに惜しみ無く御褒美を分けてあげるんですよ。なんて太っ腹。
オバサン感心しちゃうわっ!

親切にスマートさは不要!愚直、大いに結構!!

この絵本を見習って我が子に豪快にそう言ってあげたいけれど、スれた根性と、捨て去れない虚栄心が邪魔する情けないOBAHANN。

そう。だからアタシ、この本に助けてもらうんだ・・・。

世の中の酸いも甘いも噛み分ける前に、子供に知っておいてほしい絵本です。

絵は、色鉛筆だと思うのですが、優しいタッチで描かれていて物語の世界に調和していますね。少し雑な所が、隙があってなお良い。

特別華のある絵本ではありませんが、おススメです!

『ゆきのひのゆうびんやさん』の情報(作者・発行所など)

タイトル:ゆきのひのゆうびんやさん
ぶん:こいで たん
え:こいで やすこ
発行所:福音館書店