絵本レポート

あ、読んでみたいな。と思ってもらえる絵本紹介を目指してます

『バムとケロ』の魅力

ここでは、『バムとケロ』に魅了された一人の人間(私)が、『バムとケロ』の魅力について書かせていただきます。
あくまで私個人の感想であることをご了承ください。

『バムとケロ』は、島田ゆかさんのシリーズ絵本。
バムという面倒見の良い犬と、ケロという自由奔放なカエルのお話です。
www.bamkero.com

二匹は料理したり、飛行機で飛んだり、新しい友達を作ったり、買い物に行ったり、DIYしたり。とにかく彼らのペースで毎日を楽しんでいます。
この絵本の魅力は、バムケロコンビの可愛らしさ。ユニークな友達。細部まで物語を感じる絵。そして美味しそうなオヤツとご飯です。
育児に追われているお母さんなら、もしかしたら『バムとケロ』を読んで日頃の育児の辛いエピソードを思い出してしまうかもしれない。もしくは、「そうそう。あるある」と笑いながら子供に読み聞かせをしてあげれるかもしれない。
終始ケロに振り回されているバムは本当に大変そう。けれど穏やかなバムの表情を見ていると、心が凪ぎます。
心に余裕のないお母さんにも、『バムとケロ』はオススメできるシリーズ絵本です。
今出ているのは日曜日から木曜日までの4冊。それに加えて『バムとケロ』に登場するお菓子やご飯の料理本が1冊の、計5冊です。
www.bamkero.com


では、簡単にではありますが一冊ずつ紹介。
ついでにそれぞれに登場する美味しいモノも付け加えていきます。

『バムとケロのにちようび』


これは、以前記事にもしました。
kusazukikaasan.hatenadiary.com

ケロの自由奔放な振る舞いぶりは、人間で言うと多分3歳児くらいに該当すると思います。
バムの立ち位置は歳の離れた兄弟か親か、といったところ。
『絵本からうまれたおいしいレシピ』でバムとケロが紹介されていた一文にはこうあります。

お世話になった助産院の先生から「子育ての全てが詰まっているよ」と贈られた絵本がバムとケロでした。


引用元:絵本からうまれたおいしいレシピ

初めて読んだ時は、ケロがやらかす悪気のない悪戯に振り回されるバムと自分を重ねてしまい、しばらくページをめくる手が止まってしまいました。
それでも、目的の絵本『ふしぎなひこうきじいさん』を虫やネズミだらけの屋根裏からゲットするために、釣り糸にケロをくくりつけて囮のドーナツをセッティングさせる場面にはクスリと笑わされました。
二人で大量のドーナツを作るシーンはとても楽しそうですし、最後に二人仲良く寝落ちするシーンは本当に微笑ましく思えます。

私が最も素敵だと思うのは表紙絵。
釣りざおをかついだバムの後ろを山盛りのドーナツを持ってケロがついていく様子が、窓から覗き込むように描かれているのですが、それが実に幸せそうに見えるのです。
大変だけど、独りじゃない幸せがそこにはありました。
この表紙絵が、私をバムとケロ好きになるきっかけをくれたのです。

出てくる美味しいモノ

ドーナツ

バムとケロのそらのたび


バムとケロの元に、バムのおじいさんから手紙と組み立て飛行機が届きます。
これに乗って、ワシんとこにおいで。ついでにワシの大事な本『ふしぎなひこうきじいさん』も持ってきて。
という内容。

まじか。バム、飛行機の操縦できるんか。
『ふしぎなひこうきじいさん』て、『バムとケロのにちようび』でバムが必死に屋根裏から奪還したあの一冊じゃないの。じいさん、生きとったんかいな。

色々驚かされながらページをめくると、バムとケロの冒険が始まりました。
バムとケロの世界は、リンゴの洞窟やカボチャの火山など、とてもユニーク。
玉ねぎに泣かされ、虫に怯え、コウモリに追われ行きついた先に、島にたたずむお爺ちゃんとお祖母ちゃんが暮らす家がありました。
ケーキと美味しそうな御馳走プレートで、お爺さんの誕生日をお祝いしたバムとケロ。
爺さん宅までの空の旅は、大冒険でした。
なんでまたバムのジジババは離れ小島に移住したんだろう。こんな大変じゃ、ちょくちょく会いに行けやしないな。
ていうか、ジジババがいるんなら、バムの両親は?一体今どこで何をしてるんだ??

色々疑問を抱きつつ本を閉じることになった、『バムとケロのそらのたび』でした。

出てくる美味しいモノ

ドーナツ
ホットドック
爺さんのお誕生日の御馳走プレート(グラタン・チキンボール・ケチャップライスその他)

バムとケロのさむいあさ


火曜日。
ここではニューフェイス、アヒルのカイちゃんが登場します。
彼は天体観測が大好き。観測に夢中になり過ぎて池のど真ん中で凍って動けなくっていたところをバムとケロに助けられ、温かいおもてなしを受けます。
特にケロはカイちゃんをいたく気に入り、自分のおもちゃをあるだけ見せたり、遊びにつき合わせたり大はしゃぎです。
大いに遊んだ翌日、カイちゃんが置手紙を残して帰ってしまった時のケロの落胆ぶりには、可哀想にと思いながら笑ってしまいました。

出てくる美味しいモノ

ドーナツ
クッキーとホイップクリームが乗った大きなプリン
ヒルクッキー

バムとケロのおかいもの


水曜日。
月に一度のお買いものの日。
ケロは朝から大はりきり。
普段はしない早起きも、朝御飯の支度も積極的にけれど破壊的にこなします。
絵本が増えるたびにどんどこ増える友達と一緒に、バムとケロは車でマーケットへ出発。
マーケットは賑やかで色鮮やかで可愛くて新鮮で美味しそうなものに溢れています。
バムとケロ達は買いものと食事を思う存分楽しんで、帰宅。
ケロちゃんがお昼に残したごはんを摘まみながら今日買った物をみんなで広げますが、疲れてみんなで寝落ちしてしまいます。
翌日はケロが骨董屋で「買う」と押し通したフライパンで、とてもかわいいカエルパンケーキを焼いてくれるのでした。

出てくる美味しいモノ

ケロちゃんの焦げたパンケーキ(朝ご飯)
市場のお昼ごはん(ドーナツ、タンタンメン、オムレツ、肉まんetc)
ケロちゃんの顔がついたパンケーキ

バムとケロのもりのこや


木曜日。
現在は『バムとケロのもりのこや』が最新刊です。
森に木イチゴつみに出かけたバムとケロは、そこで捨てられた小屋を発見。
なんでもやのソレちゃんの助けを借りて、二人はボロ小屋をDIY。素敵な森の遊び場へと変身させるのです。
最後にはバムとケロの仲間が勢ぞろいで、”星を見る会”が開かれ大賑わいになります。

出てくる美味しいモノ

木イチゴ
ドーナツ
プッラ(ソレちゃんの三つ編みパン)
ココア
マフィン

『バムとケロ』の魅力まとめ

美味しそうなものがいっぱいの飯テロ絵本

『バムとケロ絵本シリーズ』その正体は、飯テロ絵本。
とにかく、『バムとケロ』シリーズには美味しそうな食べ物がわんさか出てきます。
そのラインナップもさることながら、島田ゆかさんの描写力が素晴らしい。
「あ~、これきっとこんな味だ!」
と読者に想像させる画力には脱帽です。

『バムとケロ』では、とにかく毎回ドーナツが出てきます。
このドーナツが本当に美味しそう。
飾り気がない、ミ●ドでいうオールドファッションなのですが、シンプルなのが飽きがこなくて良いのです。
お家ドーナツの定番がコテコテのデコレーションドーナツじゃ、ちょっと重たいじゃないですか。
この『バムとケロ』のドーナツを完璧に再現するには、この本が必要です。


島田ゆかさんが監修として関わっているので、味の再現性はお墨付きといえるでしょう。
私も作りましたが、
「そう、これ!まさにこれ!」
と感動しました。
kusazukikaasan.hatenadiary.com

どんどん仲間が増える

『バムとケロ』は、最初の一冊目は二人だけのお話ですが、次の絵本が出版される度にいつのまにか仲間というかお友達が増えています。
ヒルのカイちゃんやソレちゃんなどはしっかりエピソードの登場人物として出てきますが、三本耳のオジギちゃんや今川焼のイマちゃん、チビ犬のヤメピなどはいつの間にか出てきて常連さんになっています。
そして、『バムとケロのおかいもの』で一気に仲間が増え、次の『バムとケロのもりのこや』ではもうパーティー状態。
『バムとケロ』の世界がどんどん広がっていくさまが楽しくてたまりません。

絵が細部まで描かれていて細やかな物語を感じることが出来る。

『バムとケロ』は『ウォーリー』の並みに絵に物語が詰まっている!――と私は思います。
壁にかかっている絵、本棚の本一冊、コップひとつ、お風呂のソープポンプ一つをとっても、島田ゆかさんのこだわりというか、物語が見えてきます。
だから、『バムとケロ』は文字を読んでさら~っとページをめくっていく絵本とは少し違うんです。
文字を読んでストーリーを楽しみつつ、ページの隅から隅までじっくり眺めて『バムとケロ』の好きなもの、好きな色、お気に入りの道具など、二人の暮らしや外の世界の様子を知る事ができます。
DIYが終了した小屋に皆が集まって騒いでいるページは、ずっと眺めていられるほどの情報量がありますよ。

穏やかなバム、奔放なケロの暮らしがとても幸せそう

生活資金はどこから出してるとか、月に一回の買い物でどうやって食べていくんだろうとか、そういったことは置いておいて。二人の、のんびりしているけれど賑やかな暮らしぶりが本当に幸せそうで、読んでいると心が温かくなるのを感じるのです。

さいごに

いかができたでしょうか。
『バムとケロ』ファンになってまだ日が浅いので、そこまでマニアックな内容はお伝えできなかったと思いますが、私の”バムケロ熱”は思う存分発散できた気がします。
島田ゆかさんは『バムとケロシリーズ』以外にも『ガラコシリーズ』を書かれています。
私はまだ読んでいないのですが、どうやら『バムとケロ』と無関係ではないそうなのです。
これは図書館で探さねば・・・!





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