絵本レポート

あ、読んでみたいな。と思ってもらえる絵本紹介を目指してます

3歳からのオススメ絵本 『バムとケロのにちようび』 独りじゃない幸せに気付かせてくれる。

さて、今回ご紹介いたしますのは『バムとケロのにちようび』

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『絵本から生まれたおいしいレシピ』で紹介されていたのを見て、読んでみたくなり図書館で借りました。
『絵本から生まれたおいしいレシピ』には、子育ての全てが詰まっている、と書かれてありました。

我が子は6歳と3歳。私は子育て真っただ中。
子育ての全てだと?
興味がわかないわけがない。

そんな訳で、子供達と絵本を堪能いたしましたので、詳細を書かせて頂きます。
お付き合い頂ければ幸いです。

感想

成程、これは確かに経験がある。

せっせと掃除をした途端、泥だらけで帰ってこられ更に汚される。
綺麗にしてやろうと風呂に入れて、これでもかと暴れられる。
風呂から出たら、もう一度天を仰ぎたくなるような部屋を掃除し、おやつを用意し、当初の目的を果たせる頃には疲労で寝落ち。

育児は人生の修行場だとでも思わなければ、やってられません。
これは修行だ。だから辛くて当たり前なんだ・・・アタシ平気だもん・・・でも涙が出ちゃう。だって人間だから。

面白めに書いても、こんな毎日です。

大体、当初の目的というヤツすら育児がらみなのに、それすら完遂できないってどんだけ苛酷なんでしょうか
この苛酷な状況が日常で、狂わずいられる私は、どれだけメンタルが強いのでしょうか。
どうして人は子供を産み育てるのでしょうか。

時には自分で自分を褒め称え、時には思考を人類学まで飛ばして現実逃避しなければ、頭がおかしくなります。いや、もしかすると、既におかしくなっているのかも。

だからバムは偉い。本当に偉い。尊敬に値します。

私なら、泥だらけで家を駆けまわり汚したくられた時点で既に沸点を超えています。

そんな情けない母親から、育児の全てが詰まった本とやらの読み聞かせをされた二人の子供達。

3歳の息子は自分がケロだとは露ほども思わず、山盛りドーナツをブスブス指差し、ドーナツをねだりだしました。
まあ、予想通りでした。

6歳の娘は、『バムとケロのにちようび』を読み終わると、「おかーさんと●●(息子の名前)やね」とニヤリしました。

そうだった。本に出てくるのはバムとケロの二匹だけ。娘に該当するキャラクターがいない。

何だか娘が除者になったようで可哀想に思い、
「●●(娘の名前)も3歳くらいの時はこんなもんやったよ」
とフォローすると、娘は
「でも今は、●●(息子の名前)を守るおねーちゃんやからね!」
と誇らしげ胸を張りました。

どうやら娘は、私よりずっと高尚な域に居るようです。

凄いなあんた。おかーちゃん、感心。前世で悟りでも開いてたの?

という感動と、

毎日弟にいじめられてヒーヒー言ってるあんたが何を言ってるか・・・

というツッコミが同時に湧いてきて、私は言葉を出せませんでした。
素直に褒めればよかったのにね。

でも、こんな娘ならバムのような母親になれるかもしれない。
私のように辛さのあまり思考を不毛な領域に飛ばす事無く、素直に子供を褒め、寝落ちも幸せそうな顔でしそう。

そんな娘を、私はチョイよぼの婆になって是非見てみたい、と思ったのでした。

『バムとケロのにちようび』の、本の特徴

サイズと重量(重さ)

縦21.7cm 横28cm 厚さ1㎝ 重量438g
やや重いですが、これ一冊くらいであれば持って歩くには負担にはならないと思います。

読み終わるまでの所要時間

4分程度

文字のサイズ、読みやすさ

5㎜程度です。
黒文字。

構造・質感

ハードカバーの、標準的な絵本です。

対象年齢

3歳から、とネットにはありました。

『バムとケロのにちようび』のオススメポイント

一見、大変そうなバムですが、救いなのはバムの表情に悲壮感が無いところ。
ケロの困った行動に振り回されてはいても、どことなく楽しそうで、最後に寝落ちした表情はとても幸せそうに描かれています。

自分以外の誰かと生きる幸せが、この絵本からは感じられました。
小さい子と一緒に生活するのは大変。とにかく大変。
でも、誰かが傍に居るのは幸せなこと。

子供がもっと小さい頃は、孤独と不安にまみれる日々でした。
でも、ケロくらいの年齢(おそらく3歳くらい?)になると、あれほど寂しく孤独で、誰かを求めていた日々が嘘のように消えている事に、この絵本が気付かせてくれました。

だからですかね、世間で『3歳までがとにかく大変』っていわれているのは。

例え自分のやりたい事ができなくても、表紙のように、ドーナツ乗っけた皿を持って、後ろをついてきてくれる人がいるのは、幸せな事なのかもしれない。
とはいえ、一人の時間が欲しいのもまた、事実ではありますが。

育児の全て、という先入観から、つい母親と子供を想像してしまいましたが、バムとケロは歳の離れた兄弟にも当てはまりますね。

小さい弟や妹に困っているお兄ちゃんお姉ちゃん、日々お疲れ様。
時には、バムがケロを餌にくくりつけて、本を取り戻したみたいに、君達も君達の弟妹を便利に使っていいんだよ!
お父さんお母さんに怒られない範囲でというのが難しいけどね。

追記ですが、この絵本は山盛りドーナツが出てきます。
実に美味しそうです。
いつか子供と一緒に作ってみようと思います。

『バムとケロのにちようび』の情報(作者・発行所など)

タイトル:バムとケロのにちようび
作:島田ゆか
発行者:水谷邦照
発行所:株式会社 文渓堂