絵本レポート

あ、読んでみたいな。と思ってもらえる絵本紹介を目指してます

4歳からのオススメ絵本。『もったいないばあさんの てんごくとじごく のはなし』 天国と地獄の本質が理解できるかもしれない

こんにちは。
今回ご紹介しますのは『もったいないばあさんの てんごくとじごく のはなし』

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前回、地獄がテーマの絵本『じごくのそうべえ』をご紹介しました。
kusazukikaasan.hatenadiary.com


数年前、娘から「●●(娘の名前)は地獄にいくの?」と問われ、否定はしたものの、どういった人が地獄へ行ってどういった人が天国へ行くのか。
歳を重ねれば重ねるほど答えられなくなっている私。

そらそうですよね。
死んだら戻ってこれないから教えてあげれないし、知識だけ集めても頭でっかちになるばかりだし。

こう言っちゃあ申し訳ないけれど、『じごくのそうべえ』はエンターテイメント性が強すぎて、娘の疑問に答える資料として使うにはちょっと畑違いだった。

いえ、面白くていいんですけどね。

だけど欲を言えば、もう少しこう・・・天国地獄を子供にも分かりやすく表現した資料は無いものか・・・

そんな時はやはり、絵本にヒントがあるはず。
と思っていたら、

はい、やっぱりありました。

しかも、『もったいないばあさん シリーズ』の中で。

というわけで、以下紹介させて頂きます。
よろしくお願い致します。


目次

感想

うん、分かりやすい!

どんな人が天国に行けて、どんな人が地獄へ落ちるのか。これは実に分りやすく描かれていました。

読む前は、もったいないばあさんがいつもの「勿体ない」節で天国と地獄でブイブイ暴れ回るのかと思っていたのですが、全く違いましたね。
今回はただの迷える婆さん、でした。

地獄と天国で、スープが煮えた大なべを、ながーいスプーンを使って飲むよう言われる亡者達。
地獄と天国では彼らのスープの飲み方がまるで違っていました。
それが、彼らが地獄へ落ち、また天国へ昇る事が出来た所以である事は、天国と地獄両方を旅したもったいないばあさんしか知りません。

既視感があると思ったら、最後に説話や寓話を元に作ったと書かれてありました。

ああ、どうりで知っていると思った。
この絵本を読むまでずっと忘れていたけど。

『もったいないばあさんの てんごくとじごく のはなし』の、本の特徴

サイズと重量(重さ)

縦30.2cm 横21.5cm 厚さ1.3㎝ 重量487g
鞄に入れて持ち歩くには、やや大きく重いです。

読み終わるまでの所要時間

4分程度

文字のサイズ、読みやすさ

7㎜程度です。
黒文字。

構造・質感

ハードカバーの、標準的な絵本です。

対象年齢

4歳から、とネットにはありました。

『もったいないばあさんの てんごくとじごく のはなし』のオススメポイント

善悪すらまともに教えてあげられない駄目親の私ですが、やはり昔から伝えられてきたお話は、すとん、と落ちるものがありました。

で、結局、どういう人が地獄に落ちて、どういう人が天国に行けるのか?

絵本では、まず自分がスープを飲もうとした人が地獄に。まず他者にスープを飲ませた人が天国にいました。
多分、スープもスプーンも天国地獄全く同じ物です。

つまりは、自分よりも他の誰かを大切にできる心を持った人が天国に行ける、という結論なのでしょう。

もったいないばあさん、地獄では亡者に知恵をつけようとして鬼に弾き飛ばされ、天国ではスープを飲んだだけでしたが、とても有益な事を教えてくれました。

だって、善い事をした人が天国に行けて、悪い事をした人が地獄落ちなら、戦時中は嫌でも人を殺さなければならないし、殺人を犯さなくても悪事を働いている人は大勢いるじゃないですか。
屁理屈かもしれませんが、善悪なんて、結局は人間には測れないものだと思うんです。だから余計に、娘にどう教えてあげていいか分かりませんでした。

けれど、心のありようなら明確です。

これで、損得考えず、人の為に喜んで尽くせる人が天国に行けるんだ、と娘に教えてあげられます。

私と同じように、お子さんから天国地獄で解答にお困りの親御さんには、この『もったいないばあさんの てんごくとじごく のはなし』はお勧めです。

短いからさらっと読めますし。

――あ、でも、天国に行きたいから人に尽くすのじゃ、結局、自分ファーストになるのか・・・。
うーん、難しいですね。

『もったいないばあさんの てんごくとじごく のはなし』の情報(作者・発行所など)

タイトル:もったいないばあさんのてんごくとじごくのはなし
作:真珠まりこ
発行所:株式会社 講談社