2歳からの食育絵本。『グリーンマントのピーマンマン』のオススメポイント。一度聞いたら焼き付くフレーズ。ピッピッピッピッ、ピーマンマン!
これで絶対子供のピーマン嫌いを直せるかというと、残念ながら否でしょう。
私も子供の頃に読みましたが、これでピーマン食べてみよう!とは思いませんでした。
我が息子も、
「ピーマンマンは好きやけど、ピーマンは嫌い(ピーマンマン好き?「うん」ピーマン好き?「ううん」)」
です。
間髪入れず
「なんでやねん」
と突っ込みましたが、
多分そんなもんです。
絵本読んで好き嫌いが直ったなら超ラッキー。
過分な期待はせずそれくらいに思っといた方が、楽しく読めますよね。
・・・とまあ、何だか出だしから不安ですが、どうか以下の解説、お付き合いください。
ガッカリはさせません!――きっとね!
感想
とにかくリズム感に優れていて、テンポ良く読めます。
まるで、昭和の紙芝居のオジサンにでもなった気分。
普通に読んでるだけでも歌になる。
それだけで、多分子供は喜びます。
読んでる方も楽しいですね。朗読するのが気持ちいい。
例えピーマン嫌いが直らなくても、読む価値は十分にあると思います。
というか、これは多分、ピーマン嫌いを直す本ではなく、ピーマンの凄いところを子供に分かりやすく教えてくれる絵本なんだと思います。
ピーマンに親しむきっかけ作りと考えたら良さそう。
あと、私が子供の頃からある絵本なので、絵は思いきり昭和ですね。うん、懐かしい!
『グリーンマントのピーマンマン』の、本の特徴
サイズと重量(重さ)
縦25cm 横22cm 厚さ5㎜ 重量360g
薄いですが、軽くはないな、というレベル。
読み終わるまでの所要時間
5分くらい
文字のサイズ、読みやすさ
1文字縦横5㎜・・・は無いですね。4㎜です。黒文字。
読みにくくはありません。
構造・質感
ハードカバーの普通の絵本です。
ページは少し厚めの方かな。
対象年齢
ネットでは、あかちゃん/2歳となっています。
2歳~といった感じだと思います。
『グリーンマントのピーマンマン』のオススメポイント
感想にも書いたように、ピーマンの良さを子供がイメージしやすいよう教えてくれます。
お母さんなら、大体の方が一度は言ったことがあるだろう台詞。
「体にいいんだから食べなさい!」
私もよく言うんですが、何となく説得力に欠けません?
食べろ食べろと言いつつも、
はて、どんな効能があるんだっけ?
と、頭の中で疑問符を浮かべている。
カンの良い子なら、そこで
「どうカラダにいいんかおしえてよ」
なんて聞いてくるかもしれない。
そうなったら、調べるしかない。
ちなみにピーマンの栄養素は
食物繊維が腸内環境を整えカリウムが塩分の取り過ぎによるむくみを抑えβカロテンは優れた抗酸化作用を持ちビタミンCはコラーゲン生成に不可欠でありビタミンEは紫外線から肌を保護しビタミンPは中性脂肪を低下させてくれる(実際はもっと多くの効能がある)
のですけど、こんな小難しい事ツラツラ並べて立てても子供は
「Ah-ha(なるほどね)」
とは納得してくれません。
いいとこ
「Han?」
です。
弁の立つ子なら
「コドモにも分かりやすくセツメイして」
とか煽ってくるかもしれません。
正直非常に面倒くさい。
そこで、
しのごの言わず食わんかい
と、ごり押しするか、この絵本を読むか。ここが分かれ目。
喉痛バイキンと腹痛バイキンをやっつけるくらい、ピーマンは強いのだ!ぴっぴっぴっぴ ピーマンマン!
食物繊維だのβカロテンだのを並べるより、パンチ・キックの方が子供の脳にはズガンと効きます。
一回読んだらその後は、
「ほら、ピーマンマン食べやピーマンマン!」
と、子供にピーマンを勧められます。
――え、それじゃあバカの一つ覚え?
いいの!分かりやすければ!
合言葉はピーマンマン。
食育を助けてくれますね!
それから、最後の『お母さま方へ』は是非読んでほしいのです。
後書きだと思ってスルーしないでね。
これは小児の発育・栄養などを専門に活躍されている先生との質疑応答文なのですが
- 今の日本で偏食が原因で栄養障害はまず起こす心配はない。
- 食べることは本能。料理を工夫する事は大切だが、無理強いせず様子を見たらいい。楽しい食卓作りを心がけること。
- オヤツは何を食べるか、よりも、どう食べるか。
など、食事で母親が頑張る方向はこっちだよ、と教えてくれています。
私もイチ母親として、一丁前に子供の好き嫌いやオヤツには悩んでますが、少し気が楽になりました。
だけどやっぱり、命を頂いているんだから、とか、幼稚園や保育園で偏食だと注意されそう、とか色々思う所はあります。
それでも専門家が、気楽に見守ってやればいいんだよ、と言ってくれるとほっとしますよね。
そうワタシ、長いものに巻かれるタイプです(笑)
なんにせよ、もうこれからは無理矢理子供の口に生野菜を突っ込むのはやめようと思います。
かーちゃん、反省。
最後に。
文のリズム感が素晴らしい理由ですが、作者紹介の欄にありました。
さくらともこ先生。
幼児言語学の教鞭をとられると同時に、子供の歌の訶子・作曲活動もなさってるんですね。
納得です。
ピーマンだけじゃなく、他の野菜バージョンも書いてくれないでしょうか。
ちなみにうちの息子はキュウリが大嫌い。
そのうち「キュウリのどこが体にいいん?」なんて聞いてくるかも。
キュウリか?えっと・・・
おしっこが沢山出る!
「Han?」
たすけて さくら ともこ先生〜!