絵本レポート

あ、読んでみたいな。と思ってもらえる絵本紹介を目指してます

3歳からのオススメ絵本。『花さき山』 粋!そして産後の母親を救う絵本!?



母親だけじゃありません。
涙を溜めて我慢している人、その人を不憫に思っている人、全員の心を救ってくれる本だと思います。

産後、私はホルモンバランスのせいもあってか、酷い精神状態でした。
死ぬのは周りの人に手間をかけるし子供も悲しむだろうから、いっそ存在自体存在していた事自体無くなってこの世からパッと消えてしまいたい、と願っていました。けどそんな都合のいいミラクル、起こるワケが無い。
だから、皆が寝静まった夜中、居間で悲鳴のような声を出して泣いた事があります。

あー、ヤな思い出・・・

産後というのは、とにかく報われない事だらけ。
病んで当たり前なのよ。そうなのよ。

そんな頃、この本に出会って希望を貰いました。

以下、本の説明となります↓


感想

我慢して、辛い思いして、それで終わりじゃないんだな。
花さき山で私の花が咲いたと思えば、ほんの少し報われる気がする。
そういう風に思えて、安堵の涙を流したのを覚えてます。
いやはや、お恥ずかしい・・・

まあ、この本で当時の私の悲壮感がぜーんぶ解決したわけじゃありませんけどね。産後の精神トラブルはそんな生易しいもんじゃござんせん(笑)
とはいえ、どっぷり沼にはまっていたところを、片手一本くらいは救われたかな?と思います。

――え、今ですか?

お陰さまで、

「花さき山?私の名前で看板立てれるくらい花さいとるわ!

って冗談飛ばせるくらい、元気になりましたよ。


自己犠牲を推奨する本だ!って嫌がる方もいるかもしれませんが、私は好感を持てますね。
宝物です。
勿論、子供にも読んであげたい一冊。

『やさしいことを すれば 花がさく。
いのちを かけて すれば 山が うまれる。』

という本文。
これを我が子と共有できたら素敵。

『花さき山』の、本の特徴

サイズと重量(重さ)

縦25cm 横21.3cm 厚さ㎜ 重量388g
薄いのですが、大きいせいか案外ずっしりしています。
ママかばんに入れたら、少し重く感じるかもしれません。

読み終わるまでの所要時間

5分程度

文字のサイズ、読みやすさ

1文字縦横5㎜程度。白黒文字。
表紙の通り、背景全体が切り絵風になっておりますが、文字は見やすいです。
ただ、老婆の方言が強いので、そこがやや読みづらく感じる人もいるかもしれません。

構造・質感

ハードカバーに画用紙(?)の、どこにでもある普通の絵本です。

対象年齢

ネットで検索すると、3歳~5歳となっていました。
個人的には、小学生でも大人でも、響き方は異なるとは思いますが守備範囲かと。

『花さき山』のオススメポイント

自己犠牲心はさて置き、我慢を覚えること、子供に覚えさせる事は、めちゃくちゃ大事。
そのための教科書に、この本はピッタリだと思います。
あれこれ頭をひねって口でこねくり回して説明するより、この本一冊読んであげたら、心にスッと入って行きそうです。

花が咲く。
山がうまれる。

”徳を積む”ってこういう事よ。

と、分かりやすく教えてくれていると思います。
良いメンターだなぁ!

いつか、誰かのために涙を溜めてしんぼうしている我が子に、

「よく我慢したな」

じゃなく、

「今、あんたの花、咲いたな!」

こう言って元気付けてあげれたら、最高にかも!

『花さき山』の情報(作者・発行所など)

タイトル:花さき山
作:斎藤隆介
絵:滝平二郎
発行所・岩崎書店